診療科のご紹介

形成外科は、顔面や手などを中心とする身体表面の生まれつきの変形や外傷（けが）による変形、老化や病気に伴う醜形を治療するために、皮膚を始めとした体表組織の修復を担当する診療科です。頭部・顔から足先まで身体表面全体にわたり、先天性疾患や外傷、腫瘍など、幅広い分野の疾患を扱います。
体表面の疾患を治療することが多いため、手術は全身麻酔に限らず、日帰りや一泊入院などで局所麻酔によって受けられる場合も多くあります。

基本的に体表に関するあらゆる疾患を扱っています。なかでも当科の専門医は、眼瞼の形成手術や乳房再建手術、切断指や腱断裂など手指の外傷を多く執刀してきました。また、他の病院・クリニックで美容外科などの手術を受けたあとにうまく治らない・変形を残してしまった等のご相談も、これまで多く手がけてまいりました。

2014年から、乳がんで乳腺の摘出を受けた患者さまが人工乳房（インプラント）を使って乳房を再建する手術に、健康保険が適用されるようになりました。当院では乳房インプラントを使う再建手術のほか、患者さまの症状や希望により自家組織移植（下腹部や背中の皮膚・脂肪を移植する方法）による乳房の再建を行います（乳房温存術後の変形に対しては、自家組織移植による修正を行います）。その他インプラントによる豊胸術や、乳房下垂の修正手術なども行います。

以上の手術には、顕微鏡下に血管吻合や神経縫合をおこなう顕微鏡下手術（マイクロサージャリー）で患者さまの組織の自家移植や組織の修復を行う必要がある場合も多く、当科の専門医はいずれもマイクロサージャリーのエキスパートでもあります。

顔面や体幹部、四肢（手足）など、目立つ部分のほくろや腫瘍（できもの）を、できるだけ傷あとが目立たないように手術やレーザーで治療するご相談もお受けしています。

■顔面の外傷（鼻骨など顔面骨の骨折や皮膚・軟部組織損傷）

■顔面の皮膚・皮下腫瘍や老化性変形（眼瞼下垂・眼瞼変形や顔のたるみ）

■乳がん手術後の乳房欠損の再建や変形の修正

■その他の腫瘍手術や重症外傷後の皮膚・軟部組織の欠損や変形

■小児先天異常：耳介変形（埋没耳、小耳症、副耳）、へその変形（でべそ等）、先天性眼瞼下垂症など

■乳房や腹部・骨盤内手術後に生じた上肢（うで）や下肢（あし）のリンパ浮腫

■糖尿病患者様の足のきず・潰瘍、褥瘡（床ずれ）