都心からのアクセスが便利な川崎市高津区にある帝京大学医学部附属溝口病院です。医師・看護師を募集しています。

診療科のご紹介

乳腺外科の診療案内

2019年3月で新規の乳腺診療を行っておりませんでしたが、2020年10月より乳腺診療を再開いたしました。地域の皆様、先生方には大変ご迷惑をおかけいたしました。

平成31年3月をもちまして、乳腺外来を専門とする常勤医師が退職
 し、非常勤医師として 小林隆司 先生・館花明彦 先生による診療体制と なります

現在の診療体制としては常勤医1名と非常勤医2名の体制で診療を行っております。

 

<当院での乳がん診療の流れ(手術の場合)>

初診から

➀画像検査

マンモグラフィー、超音波、MRI

➁組織診断

針生検、吸引式乳腺組織生検、細胞診

         ↓

乳がんと診断された場合

③乳がんの広がり診断

CT、MRI、骨シンチなど

         ↓

④治療方針の相談

(1)手術先行 or (2)術前化学療法

         ↓

(1)の場合

⑤手術 → 術後補助化学療法、放射線治療

(ステージや乳がんの性質で治療内容が変わります)

 

(2)の場合

⑤術後化学療法 → 手術 → 放射線治療、術後補助化学療法

(ステージや乳がんの性質で治療内容が変わります)

 

<当院の画像検査の特徴>

・乳房トモシンセシス

従来2次元で撮影されていたマンモグラフィーを複数の角度から撮影し、データを再構成して3次元的に断層像を作成する最新のマンモグラフィー装置を完備しております。

 

・ステレオガイド下マンモトーム生検

通常組織診の検査は超音波ガイドを使って行いますが、超音波で確認できないような石灰化病変をマンモグラフィーをガイドにして組織生検を行います。特殊な装置が必要なため、完備されている病院は少ないです。

 

<当院での乳がん手術について>

➀乳房温存手術

乳がんとその周囲の組織を円柱状に切除する術式です。切除した部分には周囲の乳腺や脂肪組織を充填して、形成をします。基本的に大きさが3㎝以下で乳頭からの距離が保たれた乳がんで適応があります。リンパ節転移の有無は関係ありません。術後に放射線治療が必要になります。

3㎝以上のがんであっても術前化学療法を行い、がんを小さくして温存手術ができるようになる場合もあります。

 

➁乳房全切除術

いわゆる乳房全摘術であり、乳がんで手術する患者さんはすべての人が適応になります。乳頭乳輪を含めた乳腺がすべて無くなってしまいますが、基本的に術後の放射線治療は必要ないです(進行した乳がんの患者さんには行う場合があります)。

 

③乳房再建

乳房全切除を行う場合、形成外科と連携して乳房再建を行っています。

一次再建(乳房全切除直後に乳房再建を同一手術内で行う方法)、二次再建(乳房全切除術後しばらくしてから行う方法)に対応しています。再建方法としてはインプラント(シリコン)による再建、自家組織(自分の背中やお腹の組織を移植)による再建に対応しています。

*患者さんのがんの大きさや進行度で適応が変わりますので担当医に相談してください。

 

<乳がんの薬物療法(抗がん剤治療)>

乳がんの薬物療法には3つのタイミングがあります。➀術前化学療法➁術後補助化学療法③進行再発乳がんに対する化学療法

当院では基本的に乳がんのガイドラインに沿った標準的な内容の化学療法を行っています。化学療法の導入(初回)は入院で行い、2回目以降は外来通院で治療を行います。外来には化学療法室という点滴を受けるための専用のスペースがあり、専門の看護師や薬剤師がサポートしてくれます。