診療科のご紹介

わが国では、放射線科（放射線科医）の業務内容は、一般の方にはあまり知られていないと思います。その理由として、わが国の放射線科医がまだまだ少ないこと、風邪などで受診する御自宅近くの診療所には放射線科医がほとんどいないこと、また病院を受診（入院）した際でも放射線科医が主治医になることが稀であることなどが挙げられると思います。

放射線科紹介のところにも記してありますが、放射線科の業務は、画像を見て診断し読影報告書を作成する画像診断業務と、がん患者様に放射線治療を行う放射線治療業務に大別され、いずれも他診療科や他院からの依頼に応じて行うものです。すなわち、内科や外科等と異なり、直接患者様と接する機会は多くありませんが、効率的に画像検査を行い、客観性を持った質の高い読影報告書を作成することで、病院全体の診断レベルに寄与し、一方で質の高い放射線治療を行い、臓器を問わずがんという疾患全体の知識を持っていることで、病院全体のがん診療のレベルに資することができる、非常にやりがいもあり、また責任重大な診療科であると思っています。

我々が使用している放射線診療機器には、以前からコンピュータが多く用いられていますが、最近のIT（information technology；情報技術）の目を見張る進歩とともに、放射線診療機器も様変わりしてきました。以前では診断が難しかった病変を診断できるようになり、また高精度な放射線治療も可能となってきました。このような新技術を勉強し、どんどん診療の場に取り入れて、少しでも患者様のお役に立てるようにするのも大切な我々の使命です。

放射線科は決して大きな診療科ではありませんが、帝京大学医学部附属溝口病院の診療の質の向上や地域医療に貢献できるよう、日々努力していきたいと考えています。